アホウドリ

アホウドリは言いました

人間はこんなマズイものを作っているのか、と

 

11月、アホウドリは天敵のいない聟島列島にやってきて繁殖する。

それなのに実は天敵がいるんだ。

人間が持ち込んだクマネズミと人間が海に捨てたプラスチック

ネズミは駆除の最中だが、ゴミは永遠に海をさまよう。

彼らはこれを食べ物と間違えて食べてしまう。

天敵のいないはずの島に彼らの死骸はよく見かける。

 

アホウドリは一度絶滅したと思われていたけど、伊豆諸島の鳥島で偶然発見された。

絶滅寸前に追い込んだのはやはり、僕ら人間。

アホウドリの毛をダウンや毛布に利用するため、50年間で630万羽も乱獲したらしい。

陸での動きが鈍く補殺が容易だったことから「アホウドリ」と名付けられたとされているんだけど

僕はむしろ愛着を持ってアホウドリと呼んでいる。

関西人が使う「アホ」の感覚に近い。

 

だって、陸での彼らはヨタヨタ歩き(お婆ちゃんが腰を曲げて歩いているのに似ている)

ドテッと転ぶこともある。

人間が近づいてもすぐに逃げないばかりか

アホウドリから近づいてくることだってある。

産まれたばかりの雛だって見せてくれる。

つがいがイチャイチャしている様子なんて微笑ましく

ついつい観察していると笑ってしまうんだ。

アホウドリの群れに囲まれた人の白黒写真をどこかで見たことがあるが

きっと、彼らは人間のことを敵だと認識していないに違いない。

僕は写真を撮るにつれて彼らの愛らしさにひかれていった。

癒しの存在であったのは間違いない。

アホウドリが見たいと言われるたびに僕は嬉しくなり、案内した。

 

しかし、やたら警戒の鳴き声をするアホウドリもいる。

彼の足には調査用の足環がついている。

調査とはいえ、彼を押さえつけて足環をつけたから

彼は人間に恐怖心を抱いているようだ。

 

それでも僕は姿勢をめいいっぱい低くして彼を観察する。

しばらくすると彼は鳴かなくなったが、警戒しているのはわかる。

次第に他のアホウドリと同じように行動し、表情を変えていくのだが

やはり常に僕を警戒していた。

僕と彼の間の距離は、人間とアホウドリの距離なのかもしれない。

そこには決して近づけない距離がある。

犯してはいけないことがある。

 

聟島列島はほんの一部だけ観光目的で上陸が許されているが、

観光客はアホウドリを間近で見ることはできない。

きっといつか、観光地化され彼らに近づけるに違いない。

 

僕はぜひアホウドリを生で見て、彼らの魅力に気づいてほしいと思う。

そして、海からプラスチックがなくなるまで人間はアホウドリを苦しめていることを直視してほしい。

 

※下の写真は小笠原ではなくミッドウェーで撮影されたものです

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大学卒業後、国内国外旅してきて

 

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そのページをまとめたものです。

 

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