新しいステージへチャレンジする友へ手紙を書いた。
どうして人は自分に自信が持てないんだろう。
去年の今頃、僕は小笠原でアホウドリの雛に夢中だった。
手のひらに収まりそうなくらい小さな雛は
産まれて半年もしないうちにアリューシャン列島へ旅立つ。
アホウドリの飛び方は面白い。
空に駆け出していくのではなく、
向かい風を待って、崖から空に落ちていく。
しかも、雛たちは飛び方を親鳥に教えてもらうことはない。
親鳥は一足早く、旅立ってしまうのだ。
残された雛たちは半月の間、
必死に飛ぶ練習をして本能のまま北へ飛んでいく。
ついこの間数十メートル飛べるようになった雛が数百キロの旅に出る。
向かい風は空を飛ぶためにある
さぁ、空っぽの空に身体を投げ出してごらん
大丈夫
飛び方は君の身体がもう知っているから
アホウドリの写真を添えて朝一、ポストに入れてきた。