ついに最後の峠、フォレスターパス。
ジョンミューアトレイルの中で一番高い峠だ。
本当は3週間で歩けるロングトレイルを
4週間かけてゴールのMt.ホイットニーに登頂することになる。
実はお金のある人は荷物を減らし、時間を節約するために
人馬を雇う。
しかし、僕はお金よりも時間をかける。
『お金で買うことのできる価値なら
ぼくにはいらない
この身体とこの心に刻まれる
確固たる価値以外
ぼくにはいらない
それがたとえ
今の時代にとって
今の社会にとって
必要だと認められていないとしても
この身体とこの心が必要としているなら
それだけでいいのさ。
それがいいんだ。』
都会では時間とお金を交換しようとしている。
その感覚は自然の中にはない。
『時間で金を買うな
時間で経験を買うんだ
金で時間を買うな
失うものは予想以上に大切なことなんだ。』
実は、旅をするようになって人はみな平等に時間を持っていない
そんな気がしている。
『僕には誰よりも時間がある。
山奥の誰も知らない湖面で
浮かびながら空を眺める時間がある。
僕には誰よりも時間がある。
自分だけのお気に入りの場所で
言葉をゆっくり紡ぎながら手紙を書く時間がある。
僕には誰よりも時間がある。
今日は頑張ったからご褒美だと
夕陽を見つめながらコーヒーを少しずつ飲む時間がある。
時間があるというのは
こうも幸せなことなのです。』
時間とお金の関係は旅における永遠の宿題みたいなものです。