アメリカ・ヒッチハイク 第3話 ~自分の運命じゃん~

トラックから降りてVictorville駅を目指す

各家に有刺鉄線が張り巡らされた薄暗いストリート

どこの犬も一斉に吠える。

 

駅には灰色のプラットホームがただ、そこにひとつ

まるで、廃線になったかのようにただ、ここにひとつ

 

何十両も連なった貨物列車が通り過ぎていく。

一応、電車は通ってるみたいだ。

 

でも、チケットオフィスが見当たらない。

となりに「観光案内所」という看板の建物がある。

きっと、この中にあるに違いない。

建物の前に立つ警備員に聞いてみる?

 

よしき「電車のチケットはどこで買えるの?」

警備員「バスじゃなくて電車か?それなら山の向こう側だ」

よしき「え?すみません。もう一度」

警備員「あの山の向こう側だ!郵便局!!!」

よしき「え!!?あっち?どのくらい遠い?」

警備員「10マイル(16km)くらいだな」

 

出たーーーーーー!!!苦笑

先進国の田舎あるあるのひとつ。

「田舎の駅にはチケットオフィスがない」

それでもたいていのところには

クレジットカードで買える自動販売機みたいなのがあるんだけど

ここにはなーーーい。。。

 

ここにきてまた、ヒッチハイクか・・・

まったくが気が乗らないよ・・・

 

とりあえず、調べてみようとFreeWiFiを探してメインストリートを歩くが

まず、スマホの画面がよく見えない。

(そう、アメリカつ着いた初日に画面を壊していたから)

さらに、どのお店も開きもしない。

Vixtorvilleはルート69が通る街で、歴史ある街。

でも、今ではフリーウェイ(高速道路)があるから昔ほど栄えていない。

砂漠の街は栄え、歴史の街はすたれる、そんな国だ。

 

途方に暮れて、花壇に腰を下ろす。

はぁ・・・

 

青年「Hi!!How are you?」

 

でかい荷車(ショッピングカートみたいの)を押しながら背の高い青年が現れた。

彼こそ、アメリカで出逢った数少ない本物の旅人だ。

 

青年「ここでなにをしてるの?」

よしき「電車のチケットを買おうとしたんだけど、チケットオフィスがないんだ。

ここにはFreeWiFiがとんでなくてね。」

青年「それじゃ、ぼくの携帯で調べてみようか」

 

なんと彼は携帯で調べてくれた!

(旅人にとって携帯の電池は消費は結構痛いのに)

すると、やはりチケットオフィスは遠すぎる。

さらにネット上で買えることがわかったのだが

青年「もう、満席だ」

 

アメリカ全土を通るAmtrakという国有列車は予約制(もちろん当日でもOK)

しかし、俺が乗ろうとしてるSouthwest chiefという路線は一日一往復

そして、今はサマーシーズンだ!

 

よしき「本当に?明日はどう?」

青年「OK、ちょっと待って・・・・明日もダメだ」

 

無理やり笑いながらも落ち込みまくりの俺に彼は言う

「電車の代わりにバスを使ったらどう?」

 

バス?バスがあんの?

実はアメリカ行く前にいろいろ調べていたんだけど、

ヒッチハイクメインで旅して、帰りはAmtarkに乗るつもりだったから

それ以外の交通手段を調べてなかった。

 

青年「そこにGreyhoundsのバス停があるよ」

 

Greyhoundsとは全米の都市をつなぐ高速バスのこと(このとき教えてもらった)

 

そして、彼はまたまた携帯で調べてくれると

「Fragstaffまでのチケットが買えるよ!しかも、ネットで買うほうが10ドルも安い!!」

よしき「よし!バスにしよう!!」

青年「セブンイレブンで支払うみたいだよ!よし、一緒に行こう!」

 

というわけで、彼と1時間歩くことに。

その間にお互いの旅の話をした。

彼はこのショッピングカートを押してワシントンDCから歩いて旅している。

みなさん、さっそくGoogleMapでワシントンDCとVictorvilleを調べてください。

そう、彼は歩いてアメリカを横断しているんです。

 

よしき「こんなに水タンク必要なの?」

青年「砂漠には必要だよ」

 

あらゆる交通手段は砂漠から逃げるためにある。

でも、彼だけは砂漠に挑んだ。

 

彼と話していると1時間はあっという間だった。

無事にチケットを買い終えて、記念撮影とお互いにメッセージを書いて

最後に彼は言った。

「道が二つに分かれていてどっちに行こうか迷った。

そのとき、よしきが座っているのを見つけたんだ。

道を示してくれてありがとう。感謝しているよ。」

 

言葉が出る前に僕は彼を抱きしめた。

 

青年「ヒッチハイクは良いイメージがないんだよ。

だから、難しいと思うよ。でも、Good Luck!」

 

彼は困ったら、ここに連絡してくれと電話番号とメールアドレスを教えてくれた。

 

よしき「ヒッチハイクをしていなかったら、ここできみに出逢えなかったよ。

This is good luckだよ。

また、ヒッチハイクをしてみるよ。ありがとう!」

 

「一緒に日本を歩こう!」

大きく手を振りあって、ぼくらは旅の続きをするために別れた。

 

この経験が旅の最後に生きるとは

このとき、思っていもいなかった。

 

アメリカ・ヒッチハイクでの一番の思い出はこの2日間。

読んでくれた人は気づいたと思いますが、

この2日間、ヒッチハイクに成功してないんですよ(笑)

それでも、ヒッチハイクが僕にくれたものって大きいです、はい。

 

余談ですけど、後で知ったんですが

10数年前、アメリカ各地でヒッチハイカーを装った強盗事件が相次いだみたいです。

それでアメリカのほとんどの州でヒッチハイクは違法になりました。

でも、ヒッチハイクをしていても警察に怒られることはありません。

乗せるほうも乗るほうも自己責任ってことです。

 

アメリカで乗せてくれた人のうち白人は一人だけでした。

ほとんどが移民の人とヒッピーぽい人。20代の人が多かったです。

女子大生や若い主婦がひとりなのに乗せてくれたこともありました。

ヒッチハイクっていうのは乗せる側がどれだけ人を信じれるかって問題なんだ思います。

ヒッチハイカーってのも同じで、人を信じれるからやっているんですよね。

とはいえ、みんな確証のない信用。

目の前の人を見た瞬間信じれるかなんてわからない。

 

だから、なにを信じているの?って聞かれたら

 

「自分の運命じゃん」

 

って答えるようにしてます。

Profile

 

そのまんま、自己紹介です♪

Journey's Diary

 

大学卒業後、国内国外旅してきて

 

撮り続けた写真と綴ってきた言葉を

まとめたものです

 

長くて多いので

暇な時に読んでください♪

Book of my journey

 

ひとり旅をはじめてから

カメラとノートを

常に持ち歩くようになりました。

 

その風景写真と短い言葉たちを

アメブロにて公開していました。

そのページをまとめたものです。

 

これまたたくさんあるので

暇つぶしにしてください。

Woodworking

 

木をメインにした工房【旅をする木】の

作品集やものづくりへの想いを

ここにまとめています。

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