ぼくらは大きく笑い合って、草むらに寝転んだ。
誰からともなく、お互いに自己紹介をしあった。
3人の中で一番年下の弟的存在のシエダラくんは
「もし、泊まるロッジが決まっていないならうちのロッジに来なよ!」
あーまじか・・・
そう言われたとき、正直どこか寂しかった。
やっぱり、この山奥の子供たちも大人たちと同じように
お金に心が染まっているのか・・・
少し重い足取りで彼らの住むランタン村へと進む。
ぼくらは歩きながらお互いの話をした。
彼らは10~11歳なのに英語がペラペラで、
日本人の高校生よりも英語が喋れるに違いない。
現地民が山を歩くときに歌う歌を教えてもらいながら進んでいく
シエダラくんの親戚が経営するロッジに着く。
「ひとり?今日は部屋が満室なのよ」
シエダラくんとおばちゃんが話しあう。
「ここのベッドを使っていいわよ」
案内されたベッドはダブルベットでふかふかのマットと掛布団。
え?ここ使っていいの?いくら?
「ここは寒いから、200ルピー(≒200円)でいいわよ」
部屋で荷物の片づけをしていると、
シエダラくんがやってきた。
「よしき!村を案内するよ!」
シエダラくんによるランタン村ツアー
友達の家やチーズ工房、寺院、参拝の仕方、見える山の名前。
シエダラくんは流ちょうな英語で丁寧にガイドをしてくれる。
「おばあちゃん家でチヤ(チャイ)を飲もう!」
そういって彼はおばあちゃん家に案内してくれた。
薄暗くてひんやりした木造の伝統的な家は
居間も寝室も台所も兼用の10畳くらいの家。
シエダラくんがカマドでチヤを作る。
カマドの火が僕らを温める。
おばあちゃんとシエダラくんと3人でチヤを飲みながら
ぼくは京都の写真を見せながら話をした。
ぼくが英語で説明して、シエダラくんがネパール語に訳す。
不思議な三人の会話がゆったりと流れていく。
山の民の時間とでも言おうか
街の時計にはない時間がここには流れていた。
気がつけば日が暮れ、ロッジに戻った。
夜、寝ようと自分のベッドに行くと
え?えぇーーーーーーそゆことーーー!!!
隣の床に布団が敷いてあって、ロッジのおばさんが寝ていた。
ネパールの山奥でおばさんと相部屋(笑)
翌朝、聞いてみたらあのベッドはもともとおばさんが寝ているところらしい。。。
朝7時、シエダラくんがロッジにやってきた。
「グッドモーニング!よしき!僕の家に招待するよ!!さぁ、早く!」
つづく。