ぼくには長い旅に出るとき必ず持っていく本がある。
「人間の土地」サン=ペグジュペリ著
「星の王子様」で有名な作家さん。
初めて読んだのが22歳の時、オランダにひとり旅に出たとき
それから毎年一回は必ず読んでいる。
去年はもちろん、アメリカの大自然に囲まれて一人焚き火にあたりながら読んだ。
読むたびに感じることも、考えることも、思うことも違う。
響く言葉も、口ずさむフレーズも、反芻する文章も違う。
見えてくる景色も、人物の表情も、聞こえてくる音も、漂う匂いも違う。
こうも毎回違ってくると
本当にちゃんと読んでいるのかと疑いたくなる(笑)
好きな小説と断言できないのは、この小説をまだきちんと読めていないと思うからだ。
この小説はいつも、この人生をこの旅を深く豊かにしてくれる。
逆に、この旅がこの人生がこの小説を深く豊かにしてくれる。
アメリカで僕は友達へ、こう手紙に書いたこともある。
そんな小説だ。
旅を重ねるたびに
それは、「この小説を読むたびに」とも言い換えられる。
気づかされること、教わることがある。
オランダでは人間を知った。
日本一周では星を知った。
小笠原では海原を知った。
アメリカでは砂漠を知った。
旅していない今、いったいこの小説から何を教わるのだろう。
みなさんが旅に持っていく本はなんですか?