原生林を歩き出すと
その雄大な自然と遥かな旅路の前に圧倒させられる時がある。
なんて、ちっぽけな存在なんだと立ちすくみ、
なんて、ちっぽけな一歩なんだろうと立ち止まって後ろを振り返る。
ここに来なければ、
家でぬくぬくとアイスでも食べて過ごせるのにとw
歩き始めたことに、少しだけ後悔したりもする。
一歩、また一歩。
一日、また一日。
原生林を歩く旅はなんとも地味な毎日だ。
やることといえば、歩くことと食べることだけ。
映画みたいな大冒険でもなければ、
小説みたいなドラマが待っているわけでもない。
ただ、一歩、また一歩。
ただ、一日、また一日。
歩いては食べて、食べては歩く。
ただ、それだけを積み重ねていく。
この一歩が、この一日が
自分を大きく変えるわけでもない。
リスは俺のことなんて気づきもしない。
地球は変わらず回っている。
旅を終えるとき、
誰も賞賛してくれるわけでもない。
記録が残るわけでも、誰かの記憶に残るわけでもない。
地球は変わらずこれからも回り続ける。
旅を終えるとき、
この一歩一歩が積み重なった
この一日一日が積み重なった
自分自身に少しだけ誇りと変化を感じる。
あのちっぽけな一歩と地味な一日が積み重なった先にいる
自分自身に会えたことに、誇りを感じる。