食糧補充のためにレッズメドウという観光地を訪れる。
1週間振りにアスファルトの上をを歩くと
足の感覚がとても不自然で仕方ない
平坦であることの不自然さ
足の指に地面の情報化がなにも伝わってこない不思議さ
ただただ、歩きづらい!!
レッズメドウリゾートの食料品店で買い物をしていると
PCTハイカーに出逢う。
彼はもう、2ヶ月近く山のなかを歩き続けているのだ。
僕が歩いているJMT(ジョンミューアトレイル)はヨセミテ国立公園~Mt.ホイットニーまでのトレイルで約3週間~1か月かかる。
それに対して、PCT(パシフィック・クレスト・トレイル)はメキシコ国境近く~カナダ国境近くまで約6か月かかる超ロングトレイルだ。
そして、PCTは途中JMTの約8割を歩くことになる
キャンプ予定地の少し手前でなんと日本人に1週間振りに出逢う!
しかも、彼もPCTハイカーだ!
お互い久しぶりの日本語についつい長い立ち話をしてしまう。
日本語が話せることがとても嬉しいのだ。
今年の日本人PCTハイカーは少なくとも5人いるらしい(facebookなどで情報交換しているみたい)
その中の一人は去年長野の信越トレイルで出逢った女性で
もしかしたら、会えるかも知れないと思っていたが
どうやら、もうすでにこのエリアを抜けてしまったらしい。
(誰でも歩けるJMTとは違い、PCTを外国人が歩くには期間が長いためにビザを取得する必要がある)
不思議なことにPCTハイカーよりもJMTハイカーのほうが荷物が多い
PCTハイカーの中にはウルトラライトハイカーとよばれる人たちがいて、
食糧込みで10kg未満の荷物しか持たない。
バックパックの中には食糧と調理器具と寝袋だけだ。
お互いの健闘を祈ってここで別れる。
今夜は焚き火をする
焚き火のルールはとても簡単
既存のファイヤーサークルがあるところならOK(勝手に作るのはダメ)
燃やしていいのは枯れ木のみ。
それだけ。
やろうと思えば毎日焚き火もできる。
大自然をゆっくり歩き、夜には焚き火
そんな生活を1か月(JMT)もしくは6か月(PCT)。
長いも短いもなく、お互いに贅沢な旅なわけです
日本人が火を使わなくなってどのくらいだろうか。
数十年前まで、ご飯を炊くにもお風呂を沸かすにも
明かりも暖房もすべてが火だった。
人類が生まれたころから火を操ってきた。
火を囲んで酒を飲み、踊った。
便利のための現代化によって火は一気に失われていった。
もし、急速な現代化の中で我々が忘れてしまったものがあるのなら
それは火の中にあるに違いない。