ジョンミューアトレイル再開。
この日は水の多いエリアで何度も渡河をする。
ときに膝近くまで水に浸かりながら
ジョンミューアトレイルは続く。
森林限界ギリギリを木はたくましく生きる。
木立並ぶ道はどこまでも美しく続く。
ハイカーは気ままに歩いていく。
ジョンミューアトレイルの95%はウィルダネス。
人間が一切手をつけていない自然だ。
言い換えれば、手をつけることができなかった自然でもあり、
また、手をつける前に守った自然だ。
自然を守ることの必要性
それは、生物学、環境学、社会学などあらゆる科学で立証されている。
しかし、私はまだまだ語り尽くされていないと思う。
ジョン・ミューアはこのウィルダネスを守るためにこう言い遺した。
「あらゆる人間にパンが必要なように美も必要なのです」
自然とともに生きてきた民族には守り続けた神話がある。
アラスカの神話を追い続けた星野道夫さんはこう言い遺した。
「いずれ、全力で神話を取り戻さなくてはいけないときがくる」
私はこのジョンミューアトレイルを歩いてひとりの友を思い出した。
さっそく、木にもたれて彼に手紙を書く。
「あらゆる人間には守らなくてはいけない思い出の土地がある。」
みんながそれに気づけたら
みんなが全力で守れたら
みんながそこで暮らせたら
世界は平和になっていくんじゃないかな
焚き火をしながらそんなことを思う。