John Muir Trail 20,21日目　～食糧補給～

グレンパスを越えるとＪＭＴを外れ、キアサージパスへ向かう。

１日に二つの峠を越えて、町へ降りて食糧補給するためだ。

ＪＭＴや他のロングトレイルは

１週間程度、山籠りをして、町に降りて、食糧補給して、また山に戻る、の繰り返しだ。

自分と同様、町へ降りるロングトレイルハイカーや山に戻るハイカー、またちょうど週末と重なったために1～３泊程度のキャンプに向かうハイカーとすれ違う。

アウトドア天国アメリカでは週末を家族と、友達と、恋人と山の中で過ごす。

小さい子供から杖をついて歩く老人まで

大きなバックを背負って山でキャンプをする。

もちろん、車で行けるキャンプ場を拠点に日帰りハイクを楽しむ人たちも多い。

キアサージパスを越えて、オニオンバーレーキャンプ場を目指す。

実は食糧がもうない。

あのカメラ水没事件直後のやけ食いが

ここに来て響いている(笑)

この日の晩御飯と次の日の朝飯がないのだ！

実は目指すキャンプ場にハイカーズバレルがあることを期待していた。

ハイカーズバレルとは山から来たハイカーが要らなくなったものや食料を入れ、山に向かうハイカーが必要なものを自由に取り出せるバケツのことで。

ただ、アメリカなだけあって大量の食糧が入れられている。

しかし、キャンプ場にはなかった。

仕方ない、我慢しよう。

夕方にキャンプ場に入るがサマーバケーションの週末のために

キャンプサイトがひとつも空いていなかった。

これはよくあることなので

交渉して同じテントサイトに張らせてもらう。

ロングトレイルを歩いている人に優しいのもロングトレイル文化のひとつだ。

残りのトレイルミックス(アーモンドやナッツ類とドライフルーツを合わせたもの)をしみじみとつまんでいると

テントを張らせてくれたおじさんが近づいてきて

Have you finished dinner?

Oh,i have no food today.i mistaked.

そのあと、何かを言っていたのだか理解できずにキョトンとしていると

この場から去っていってしまった。

コーヒーを淹れて日記を書いていると

さっきのおじさんが戻ってきた。

両手に大量の食糧を持って！！！

なんと、キャンプ場にいる他のハイカーに食糧をもらいに行ってくれたらしい！

夕飯と朝飯の２食どころじゃなく3日はもつ量だ！

もう、なんてお礼を言っていいのか分からず、

とりあえず、ハグをした(笑)

この旅、はじめての贅沢だ。

翌日、アメリカ初ヒッチハイクをスタート。

やはり、これもロングトレイルでは必須で

キャンプ場から町までヒッチハイク以外に交通手段がないのだ。

10分もしないうちにゲット！

ロングトレイルを歩く友達をサポートしに来たというケイリー。

ロングトレイルを歩く人は家族や友人がサポートしてくれるのが一般的らしく

全くひとりで歩くのはほんとにすごい、と褒めまくられる(笑)

町に降りて、郵便局で荷物を受け取り

小さなコンビニでひさしぶりのコーラを飲みながら

ロングトレイルハイカーと話していると

車から降りてきた親子に声をかけられる。

なんと、一週間前に歩いたシルバーパスで僕を見たというのだ！

オレンジの大きなバックとその帽子を覚えているよ！

という。

Wow amazing!!

ほぼ同時に声をあげる。

たまたま、この町でガソリンを入れるために寄ったらしい。

アメを少し分けてもらい、彼らは去っていった。

キャンプ場に戻るときももちろんヒッチハイク！

これまた友達のサポートに行くという人に乗せてもらい戻ることができた。

そして、昨日降りてきた山道を登る。

山道でもまたたくさんのハイカーと出逢い、話す。

山梨に交換留学していたという女性とボーイフレンドも

毎週のようにキャンプに出掛けているという。

ちなみにアメリカに来てここまで出逢った日本人５人中３人が山梨に住んでいる。

なんか、変な感じ(笑)

空が夕焼けに染まる。

昨日、今日と良い出逢いが多くてなんだかしみじみと空を眺める。

あと、1週間でゴールのMt.ホイットニーにたどり着く。

ゴール後まで町には降りない。

この最後のトレイルがうまくいくイメージしか浮かばない。